おまとめローンは返済専用のローン?おまとめ後の借入はできない?


おまとめローン後の借入画像
「おまとめローン」を扱う業者が増えたことで、おまとめローンの申込者数も増加傾向にあります。そして、多くの人のおまとめローンに求めるメリットが金利の削減です。

それによって利息が減り、毎月の返済が楽になることを期待しています。おまとめローンは複数の借入を一つにまとめるため、おまとめローン業者からの借入額が高額になることから、貸出金利は現在の金利よりも当然低くなります。

確かに、金利が下がる分月々の返済額は少なくなりますが、金利が3~5%低くなったからといって高額の削減にはつながりません。

借入金額にもよりますが、毎月の返済額がせいぜい2~3千円低くなるくらいと思った方が無難です。それよりも、返済期間を長くすることの方が返済額を少なくするということでは大きな効果があり、1万円以上カットすることも容易です。

ただし、返済期間を長くすると利息が増えて結果的には現在の借入額よりも多い金額を返済することになります。2つのメリットを得ることは無理だということです。

おまとめローンのメリットは簡素化と返済計画の立て直しにあり!

指さし男性イラストおまとめローンの本当のメリットは「管理の簡素化」です。カードローンの数が複数あると返済日も複数あり、ひと月に何回も時間と神経を使わなければなりません。

また、返済を漏らしたり、間違えたりする懸念もあります。それが、おまとめローンによって借金が1つに集約されれば、1つの返済にだけ気を使えば済みます。

さらに、元金の減り方や利息の動きなども一目で把握できるため、確実な返済計画を立てられます。それが、おまとめローンの最大の効果です。

多重債務者というのは得てして返済に対する管理が杜撰になっている面があり、その雑な管理が新たな借金を増やすという負のスパイラルに陥っています。

なお、返済をコンビニATMから行っている場合は、返済が1つになることでATM手数料をカットすることもできます。

そして、おまとめローンの特徴が総量規制の例外扱いになっていることです。おまとめローンは総量規制の例外規定にある「利用者の一方的有利となる条件」に該当するため、借入額が年収の3分の1を超えたとしても借入が認められます。

おまとめローンは目的ローンのため新たな借入は原則禁止です!

ポイント説明男性イラストところで、多くの人が誤解していますが、おまとめローンはカードローンではなく、借り換えのための「目的別ローン」です。

従って、カードローンのような何回でも借入を繰り返すということはできず、一度契約をしたら借入金を完済するまで新たな借入はできません。

仮に、完済していない内に他の業者への借入の申込が判明すると、おまとめローン業者から借入残金の一括返済を請求される場合もあります

おまとめローンの利用者に対して貸出をする業者はありませんが、借入を申込んだという履歴が信用情報機関に残るため、申し込んだこと自体は分かってしまいます。

なお、新たな借入が禁止されているのは、すべての借金の返済を目的としておまとめローンを利用しているのに、その最中に新たな借入をすることは信義上、許されないからです。そのため、おまとめローンの審査は通常のカードローンより厳しくなっています。

カードローンはフリーローンよりもおまとめ後の自由度が高い

さらに、おまとめローンを調べるとカードローンとフリーローンという言葉が入り乱れていることかと思います。
実はこの二つ同じのようで借り入れ・返済の自由度に差があります。

なぜ、ここでそのような違いについて言及するのかといえば、どちらもおまとめローンとして利用できるからです。

まず、両方において注意したいのがおまとめでの利用目的が前提であれば、消費者金融のカードローンやフリーローンではなく銀行のローンプランとしてのそれらをおまとめ先に推奨していることが多いです。
消費者金融のカードローンやフリーローンは特別な状態(例:銀行ではおまとめ契約が望めない属性または度を越えた多重債務など)でない限り、おまとめをするメリットはほぼありません

ローンの一本化をする時に、おまとめ後も自由な借り入れ・返済を続けたい場合には銀行の通常カードローン(おまとめ用カードローンではない)での契約がいいでしょう。
この場合、おまとめをする意味はローン利用を続けながら金利をなるべく抑える事になります。

返済も随時返済がATMやネットなど多彩な方法で自分の都合に合わせて出来るとともに、借り入れも同じように出来るわけですから、完済を目指すのには正直あまり向きません。

また、通常のカードローンでおまとめをするには融資額が高額になる為、自ずと審査のハードルは高くなります。

逆に、フリーローンというのは多目的ローンともいわれ、まるで資金用途問わず利用も自由に出来そうなニュアンスを含みます。
しかし、実際は用途は何でも良いものの「何に使うか」はハッキリしている必要があります。

というのも、フリーローンでの貸付は高額の融資を一度だけするというものが多いからです。
そのあとは、借りた額の返済を完済するまで続けるだけで、追加借り入れは出来ない、または再度融資の申請が必要となります。

加えて、返済方法も約定返済日に口座からの引き落としや振り込みによるものだけで、随時返済に対応していない事も少なくありません。

追加で借り入れも出来なければ、返済も最初の計画の通りに進むので完済まではスムーズにし易く、ローンをまとめてそれ以上借りないようにするという目的の方には多少不便でもフリーローンのおまとめも十分する意味があるでしょう。

借り換え・おまとめを金融機関に相談してみる!

おまとめローンという商品名でなくても、借り換えやおまとめ先として利用できるローンもあるので、結局どこでおまとめ契約出来るのか分からなくなってしまう事もあると思います。

また、本当に自分のローンは一本化した方が低金利になったり、返済額が下がったりというメリットがあるのか、なかなか一歩が踏み出せない事もあるでしょう。

もし、おまとめローン契約を考えているものの、本当に希望のローンで契約出来るのか、利息や返済額がカットできるのか不安な場合は、申し込みを検討している金融機関に問合せて相談してみましょう。

特に、銀行ではおまとめできず、消費者金融の専用ローンでのおまとめを検討している場合は相談してから申し込む事をオススメします。

金融機関はそれぞれ問合せ先として電話番号を用意していたり、昨今はメールフォームなどからも簡単に相談が可能です。

ちなみに、弁護士や司法書士などの専門家に相談することも考えるかもしれませんが、そちらは債務整理などを勧められる可能性があります。

個人で営んでいる弁護士事務所などは、相談者がおまとめローンでまだ立ち直れる状態でも、利益を先に考え債務整理を勧めてくる事が中にはあるようです。

どうしても専門家に相談したい場合は、法テラス(日本司法支援センター)やJCCO(日本クレジットカウンセリング協会)などに相談に行った方が中立的な意見が聞けるでしょう。